2010年6月13日日曜日

いまどきの40オトコは自分でメシをつくる
#03「ネギをたくさん食べる子は頭がよくなる!?」



VOL.3 「手作りラー油で食す焼餃子」

 このコラムを書くことになって、とんでもないことに気がついた・・。ワシ料理は好きだし、ある程度の経験もあるし、それなりのレパートリーもある。文章を書くことも好きなので問題ない・・。ではなにが・・・それはねっ、ワシって今までずっと、料理って目分量!!!!。何が何グラムで、何が大さじ1杯とか・・そんなことを量って料理をしたことがない・・・。でも、まさかレシピを掲載するのに・・・塩適当に・・とか、醤油それなりに・・とか、小麦粉と水の配分はドロっとするくらい・・とか、そんな表現で掲載するわけにはいかない・・。でも調味料の量なんて季節によっても食材の鮮度によっても、そんでもって体調によっても変わってくるし・・醤油なんてメーカーによっても全然塩分濃度違うし・・・。やっぱりワシ的には目分量が一番だと思ってしまうわけだが、そういうわけにはいかないので、毎回掲載分の料理は分量を計測しながら作るという初体験を必死こいてやっております・・(汗)。今はこれが一番大変っ。

 さて、巷では「具だくさんの食べるラー油」なるものが流行している。モモラーという流行語を生みだした食品メーカーの商品はネットで売り切れ状態が続いていたし、後発隊の商品もよく売れているらしい。ワシも友人からもらったので食べてみたのだが・・・う〜〜ん、やっぱり出来合いの味だし・・これなら自分で作ったほうが美味しいよな、ということで「食べるラー油」作りに取り組んだ。えっ、、ラー油って自分で作るの??という方もおられるかと思うが、普通だよっ。

 ワシが幼いころから通い続け、今でも時々食べに行く近所の台湾料理の店で、ワシはラー油というものに出会った。両親が商売をしていたこともあり、小学生のころ給食のない日はいつもこの台湾料理屋で昼飯を一人で食べていた。必ず食べるのは餃子。親の作った料理以外、人生で一番食したのはここの店の餃子であることは間違いない。この店のラー油も手作りであった。お店の女将が「ネギをたくさん食べる子は頭がよくなるよ!!」ってラー油の入った酢醤油に、山盛りにきざみネギを入れてくれていたのだが・・・その効果はどうやら無かったようだ・・・。

 餃子といえば・・母の実家に里帰りすると必ずばあちゃんはワシら兄弟に餃子を作って焼いてくれた。父側の祖父母は昔かたぎの人だったので、もっぱら和食だったけど、母側の祖父母はとってもハイカラな人だった。そのばあちゃんが何故いつもいつも行くたびに餃子を作ってくれたのか、今となってはわからないが・・、今ワシが自分で作る餃子は、どこかの店のレシピでも、母の味でもなく・・まちがいなく、ばあちゃんの味である。ワシにとって餃子はソウルフードなんだなっ。うちの娘も、ワシの作る餃子以外は受け付けないし、ばあちゃんの味は親子4代受け継がれていくことだろう・・。おっ「Soul Food Relations」ってかっ。

*Cooking BGM Album「HUNTING TIME」(ANTHEM)

  • レシピ 具だくさんのラー油
用意するもの

ごま油      100ml
サラダ油     200ml
唐辛子粉     40 g(できれば韓国産) 
干しエビ     20g
ご  ま     20g
ニンニク     20g
玉ねぎ      1/4玉
生  姜     5g
コチュジャン   大さじ1杯
砂  糖     小さじ1杯
醤  油     小さじ2杯
白ネギ      1/2本
唐辛子      1〜2本

1)
耐熱性のボウルに、唐辛子粉、ごま、干しエビ、みじん切りにしたニンニク・玉ねぎ・生姜を入れ、ごま油を大さじ1〜2杯入れて、よく混ぜ合わせておく。

2)
鍋にサラダ油、残りのごま油、唐辛子(鷹の爪)、白ネギを入れ弱火でじっくりと火にかけて、油に香りを移していく。

3)
油に香りが移ったらこげる前にネギと唐辛子を取り出して、火力を強火にし、煙が出て湧き上がるまで熱する。

4)
1)のボウルに湧き上がった3)を3回くらいに分けて入れる。一気に具材が湧き上がるが、びっくりしないようにっっ。やけどに注意だっ。

5)
砂糖、醤油、コチュジャンを加え、混ぜ合わせる。

6)
冷めたらできあがり。 熱々のごはんにかけたり、冷ややっこにかけたり、いろいろ試してみよう。













  • レシピ 焼餃子
用意するもの

白  菜     1/4個
ニ  ラ     1/2束
豚ひき肉     200g (できれば荒引き)
生  姜     一片
塩        小さじ1杯
醤  油     小さじ2杯
砂  糖     小さじ2杯
こしょう     少々
ごま油      小さじ2杯
餃子の皮 
塩・サラダ油・ごま油・酢・醤油 適量

1)
白菜をみじん切りにし、塩をふってしばらく置く。キャベツが好きな方はキャベツで・・ワシはばあちゃんが白菜を使っていたから。







2)

ボウルに豚ひき肉を入れ、おろし生姜、塩、コショウ、砂糖、醤油、ごま油を加えて粘りけが出るまで、手でもみ込むようにしっかりと混ぜる。まちがっても野菜とかも一緒にして調味料を混ぜ合わせないようにねっ。





3)

ニラもみじん切りにする。








4)

1)の白菜がしんなりとしてきたら、両手でしっかりと絞って水気を捨てる。布につつんで絞ったりもするけど、ここは男らしく豪快に手で行こう。






5)

ボウルに3)のニラ4)の白菜を加えて、まんべんなく混ぜ合わせる。







6)

さて、具を餃子の皮に包み込む作業だ。皮にヘラで具を適量のせて皮のまわりに水をつけて、ヒダを作りながら包んでいこう。家族みんなでやったりするのも無しではないが、形や分量が違うと焼きあがりがよくないので、ここは頑張って一人で包もう。





7)

フライパンにサラダ油を敷き、きれいに並べていこう。ここで並べた形が食卓に出た時の形になるのでキレイに!!センスが問われるところだっ。置く時にフライパンに押しつけるように置いて焼き色の面積を増やすことも大事だっ。





8)

焼き色が少し着いたら1/3が浸るくらいのお湯を餃子の上から流しかけて、蓋をして蒸し焼きにする。







9)

水分がなくなったら蓋を取って、ごま油を入れてカリッとなるまで焼きあげる。



できあがったらお皿をフライパンにかぶせ、クルッと裏返してお皿に餃子を移すっ。

熱々肉汁たっぷりのジューシーな餃子を、食べるラー油たっぷり入れた酢醤油につけて、やっぱり餃子にはBEERかねっっっっ。

2010年6月7日月曜日

ライヴハウスのプロデューサーと音を楽しむ “音楽は人間だ”
#02 「工場見学」ゲルニカ



20年前とくらべたら、どこもかしこもガラリと景色が変わっていて、それまであった山がなくなりビルが建っている、ということもしばしばあります。それは 街の風景に限ったことではなく、音楽だってそうじゃないかと考えます。ジャンルの多様化やデジタル化も、それまでは「一生このままなんだろうな」と思っていたことが、考えもしなかった方向に向かっていっているのです。

ではこの先20年後はどうなっているんでしょうか。

自動車が空を飛んでいるのかもしれないし、先っちょに大きなドリルがくっつき、地下に潜ることすら可能な時代かもしれません。政治だってそうです。「○○ 君(ウィーン、ガシャン)、質問を(ウィ、ウィーン)。」と、サイボーグ化が進むかもしれません。質問する政治家もサイボーグ、されるほうもサイボーグ、国民全員サイボーグ。マニュフェストは「一億総サイボーグ化計画」。デジタル化が進んでるから、そうならないとも限りません。

いや、なりません。自信持って言えます。

まあサイボーグ=近未来という図式が古いのですが、やっぱり人間、結局アナログに戻っていくのです。「デジタルがダメだ。」とは言いません。だってデジタルのいいところを挙げたらキリがないし、考える脳だってアナログなワケですから、どう考えても共存していくに越したことはないでしょう。

さて、話を戻します。40年前音楽の主流はフォークだったようです。

それから20年経ち、その間にロックが台頭し、テクノポップというブームがありました。その時からそういう電気系音楽が主流になりました。その20年後には、ロックもテクノもより複雑化して、ジャンルも混沌化しているように思います。

で、問題の20年後。

きっとサイボーグが現れ、アーティストのほとんどがメカニックな容姿になり、ライブを行なっても全部マシンだからリハーサルもいらず、本番中にステージに置いてある飲み物は潤滑油だけでしょうね。

ではその20年後、今から40年後はもう想像すらできません。

もしかしたら人間でもサイボーグでもなく、ウルトラ過去に戻って、動物が奏でてるかもしれません。「モー」「ワン」「パオーン」「ニャー」「ニャー」「ガオーッ」。

よくわかりませんか? わかりませんよね。書いてる自分すら文末を見失っているので、読んでるみなさんはわからなくて正解です。

ところで今の生活に必要な音楽というのは、先ほども書いたようにジャンルの多様化が進んでいるので、今いるシチュエーションに見合う音楽が一番いいに決まっています。

それがデジタルにせよアナログにせよ、古くても新しくても、いい音楽というのは一生その生活に残っていくわけですから、「そばにずっと置いておきたい音楽」を死ぬまで大切にしていきたいもんです。

この戸川純と上野耕路のユニット「ゲルニカ」は、ジャケも音楽も昭和初期風ですが、自分の生活には役立っていると思います。たぶん。

2010年6月3日木曜日

未来からのラブレター
#02(成 長)あんなに小さかったあなたが



こんにちは。パパです。

あんなに小さかったあなたが、いつの間にか随分と大きくなっていました。
パパがよそ見をしてたからか? あなたの歩くスピードが速いからか?
気がつくと昨日より大人びた顔をしたあなたが目の前にいます。

その日々の変化に、パパは驚かされるばかりですが、
どうやら、時にはあなた自身も戸惑う時があるようですね?

まるで不思議の国のアリスになったように、
鏡に映る自分自身を見て、なんだか部屋の扉の大きさと、
自分自身の背の高さが合っていないような…
いま見ている自分が、本当の自分なのか不安になるような…。

「ワンダーランドには行きたいけれど、迷宮を彷徨(さまよ)いたくはない…。」
あなたの悩みを例えるなら、そんな所でしょうか?

空に浮かぶ雲や、太陽や、月や、星をつかもうとするかのように、
人は生まれてから、少しずつ背が伸びて行きます。

やがて雲までは届かないとわかると、背を伸ばすことをやめ、
今度は宇宙まで包み込みそうな勢いで、心が広くなって行きます。

でも本当の所、背が大きくなるのに隠れて心も成長し、
心が豊かになって行くすぐ隣で、体も様々に変化し続けています。
この心と体の変化こそが、時にみんなを驚かせたり、
時にはあなたを悩ませたりする、不思議の国の扉を開く鍵となっているものです。

今日のお話し自体も少し不思議の国の入り口に差し掛かっているようなので、
この辺で扉を開いてワンダーランドの外に出ましょう!!

さあもう一度、鏡に映る自分自身を見て下さい。
自分自身の目でしっかりと自分自身を見つめると、
そこにはありのままのあなた自身が映っているはずです。

鏡に向かって決して問いかけてはいけません。
なぜなら、それは時々あなたを欺(あざむ)き、迷宮へと導こうとするからです。

鏡に映った目や心ではなく、あなた自身の目に映るもの、心に映るものを見つめれば、
あなたの目には、そのまま等身大のあなたが映り、
あなたの心には、美しさも醜さも、嘘も本音も、ありのままのあなたが映るはず。

物事を理解するための第一歩は、あなた自身に備わった能力や五感を使って、
しっかりと見ること、触れること、感じること…から始まります。
人が見聞きして得た情報から、真実を理解することは決してできません。

パパはあなたの背が伸びたことを喜び、ピアノを弾く姿に感動し、
その愛くるしい笑顔に、一瞬にして世界一の幸せを手に入れます。

けれど、どこかで背が伸びなくなっても、ピアノを弾くより遊びに夢中になってても、
嫌なことがあって一日中鬼のような形相でふてくされていたとしても、
パパのあなたに対する愛情は、何一つ変化することなどありはしません。

パパはあなたの背やピアノや笑顔の中に喜びを感じているのではなく、
ありのままのあなたを見つめている中で起きる、変化や成長に一喜一憂しているに過ぎません。
それとは全く別の所で、ありのままのあなたのことを、無条件に愛しているのです。

だからどうか、自分自身を見つめる時も、世界を見つめる時も、
どんなことからも目をそらさず、常にしっかりとありのままを見つめて下さい。
幸せな物事はもちろん、不安や迷いや困難ともしっかりと向き合って下さい。

ありのままの自分を見ることが出来る者だけが、
ありのままの真実も見ることが可能になるのです。

そして、その力を身につけた者がワンダーランドの扉を見つけ出した時、
迷宮からの出口と、夢の国への入口を自由に行き来することだって可能になるのです。

「悩み事があったから、この手紙を開いたのに!!」ですって?
パパからのアドバイスは「大いに悩みなさい」です。

なぜなら、パパがどんなに深くて大きな『愛』を持っていたとしても、
あなたの悩み事の『答え』はパパが持っているものではないからです。
でも、もしかしたら『ヒント』ぐらいなら持っているかもしれません。

今の自分自身をしっかりと見つめれば、今の自分自身にできることがわかるはず。
そのことの積み重ねの先にしか、ありのままのあなたとしてつかめる、
夢も、希望も、真実も、答えもありません。

ワンダーランドは、あなたの手の中にあるのです。


*ライブで早速、おしゃれな『Soul Relations Tシャツ』着ちゃいました!!

2010年6月1日火曜日

シアワセの住み処(すみか)〜現役ナースによるダイエットレポート!〜
#02 最初の話題はやっぱり……(笑)



ダイエット!を決心してから1カ月。

朝一番に体重計に乗るのが私の日課になりました。

“巻いて動いて、引っ張って”を怠けても、体重計にだけは乗ってます。が、食べなかった翌日も食べすぎた翌日の朝も、数字は変わりません。・・・もしかして、壊れてる!?

でも、気にしない気にしない。楽しくダイエットですから。

“体重-3㎏減”は、まだ未達成ですが、“楽しくダイエット”は達成中です。この企画を始めて、日々の生活を今までとは違う目で見つめることができてま す。そして、流されていた日常に気づいています。目の前にあることをただこなしているだけで、その意味って考えることってなかったな・・・それが日常だから。起きることや、ごはんを食べること、自転車での通勤・・・何も考えなくても体が勝手に動くことも、違う目でみたらいろいろな発見があってとっても新鮮です。

それを何かに残しておきたいと、写真に撮ったり、日記に書いたりするようになりました。とくに大きなイベントがなくても、日常生活の中にはちょっとしたうれしいことや楽しいことがけっこうあるんだな~と小さなシアワセを感じています。数字は動かなくても、この企画は生活のいいいスパイスになっているみたいです。ダイエット生活にとっては、“誘惑”だけど、日々の生活にはシアワセなことがたくさんあります。

先日、高校時代からの友人が弾丸ツアーで京都にやってきました。今は岡山在住。岡山から京都は、新幹線で1時間。とはいえ、子育て真っ最中の彼女が1日家 を空けることは大変なこと。そこで、子どもを送り出し、夕方下校するまでの時間を利用して京都日帰りツアーを決行したのです。

朝、9時半に合流し、京都の中心街をショッピングを兼ね観光。京都には、ショッピング街の中に、普通にお寺やアンティークショップが点在しています。ただ歩くことが観光です。

いつも歩いている道ですが、目にも止まっていなかったお店を発見したり、普段買わないようなものを買ったり・・・一日中歩いたその日、京都は30℃を超える暑さ。ものづくりの好きな私たちは、アートフラワーのショップ兼工房で、創作活動までしてきました。何とも充実!帰って、万歩計を見たら、10㎞も歩いていました。考えてみれば、座っていたのは、創作活動をしていた1時間ほどじゃないかな。たいした食事もとらず、時間を惜しんで動きまわり、おしゃべりは途切れることなく・・・相当カロリーも消費したはずです。

そういえば、数カ月ぶりに会ったのに、合流してまず最初の話題は、“ダイエット”でした(笑)

みんな、同じこと考えてるんだな~。この日の私たちの行動は、学生時代にはまさに何も考えなくても体が勝手に動いてしまうような日常でした。それが、時が経てば、こんな貴重な時間に変わりました。変わったんじゃなくて、そのころには気づいていなかったんですね・・・もったいない。

ともあれ、そんな楽しいダイエットをした翌日もやっぱり体重計は51㎏から動いていなかったのです・・・・(笑)ものすごく期待して体重計に乗ったのに。

2010年5月31日月曜日

コトバひろい食い
#02 喧嘩をあずかる



ぼくが子供のころ、晩ごはんのしたくができると、母は言った。
「お父ちゃんを呼んできてごせ。松浪におおなあけん」
(お父ちゃんを呼んできてくれ。松浪におられるから)
〈松浪〉というのは近所のよろず屋で、店の奥にカウンターがあって、夕方になると、おっつぁんやちがコップ酒を立ち飲みしていた。カウンターの中では店主が、作業着の上にそのときだけ白衣を着て、一升瓶から酒を注(つ)いでいた。
「お父ちゃん、晩ごはんだよ」
「おん、わかった」
でも父は、二度、三度、呼びに行かないと切り上げない。といっても、八時には閉店する店だったから罪はなかった。
その店では、おっつぁんやちが下の名前で呼び合っていた。
たけちゃん、とおるさん、しげちゃん、まさやん……。
父は、よーやん、だった。ぼくが父を呼びにいくと知らないおっつぁんが、
「よーやんの所の若(わ)け衆(し)か、一杯飲んで行かんかや」
と、ピーナツの小袋をくれたりした。

大人になってから、たがいに苗字でしか呼び合わないバーに何度か行った。あれはバブル全盛のころ、仕事の流れで行った六本木の店だ。
バーテンダーたちは優雅でそつがなく、きれいな指をしていた。ルビー色のカーペットの毛足は長く、上等な革靴とは相性がいいのに、スニーカーみたいな靴のときは、ふわふわしすぎて踏み心地が悪かった。
そのバーへいっしょに行ったのは、苗字でしか呼び合わない関係の人たちとだった。これは、その中のひとりの言葉だけど、
「いいヤツに、いい仕事はできない。できるヤツというのは、悪い男で、しかも悪いことをしない男なんだ」
そんなハードボイルドな格言が似合うバーで、でも、本当のことを言うと、ぼくはその店ともメンバーとも、友人になりきれなかった。バーテンダーにも、お客さんにも、下の名前があるはずなのに、それをみじんも感じさせなかったし、
その店にはいつも、カジノのような、たくらみごとの匂いがしていた。カップルで来ているお客たちの様子にも、ベッドに行きつくまでの駆け引きが見え隠れしていた。
ぼくらを連れていってくれた営業マンは、話題が外国で起きている内紛のことになったとき、
「戦争はビジネスチャンスです」
と言い切った後で、当たり前すぎることを口走ってしまった、と恥じた。終戦記念日がいつなのかを知らなかったときは、ただ笑っていたのに。

そんな店からの帰りには決まって、ぼくのことを、ヒデ、と呼ぶバーに立ち寄った。ラストでそんな場所に帰りたがるのは、ぼくの酒場の原風景が、〈松浪〉だからかもしれない。
〈松浪〉のことでは、忘れずにいる言葉がある。
ある晩、いつもどおりに父を呼びに行くと、雰囲気がちょっと違っていた。わさわさしているはずの店は静まりかえり、ピンとした緊迫感があった。ぼくは、一瞬、父に声をかけられなくて、そのとき空気を引き裂いて、ひとつの声がひびいた。
「その喧嘩、わしがあずかった!」
スパッと、男気のある声だった。カウンターにどよめきが起こった。それから、日本酒の甘くさい匂いとともに、おっつぁんやちの甲高い話し声がもどってきた。
前後のことはわからない。声の主が、たけちゃんなのか、よーやんなのかもわからない。ただ、そのセリフだけがぼくの耳に残っていて、
酒場というのは、喧嘩をあずけたり、あずかったりできる場所なのか。そして、大人というのは、あんなにもさり気なく、力強く、平和をつくれるものなのか、と、そんなあこがれが残った。

◆◆◆   ◆◆◆

ジロウ、たっちゃん
下の名前で呼び合えば
みんな12歳にかえった

ゆき、ショウタ、はやと
下の名前で呼び合えば
初めて会った人も
みんな12歳だった

12歳という肩書きだけを
その明るい肩にのせて
こんなにもひとしく
いのちだった

◆◆◆   ◆◆◆

2010年5月30日日曜日

いまどきの40オトコは自分でメシをつくる
#02 史上最強のチキン南蛮!



VOL.2 「チキン南蛮定食」

 ワシが生まれ育ち、今も暮らしている呉市は日本海軍とともに大きくなった街である。呉と言われて一番最初に頭に浮かぶのは「戦艦大和」が作られた街。 2005年にオープンした呉市海事歴史科学館(通称「大和ミュージアム」)は、いまでも多くの観光客でにぎわっている。そしてもうひとつ呉といえば「肉じゃが発祥の地」。かの東郷平八郎元帥がビーフシチューの味が忘れられずに作るように命じたが、日本海軍の料理人には作り方がわからず、よく似たものをつくったのが「肉じゃが」として定着した、というものである。じゃあ、今回の料理紹介は「肉じゃが」かって??、まさか・・。肉じゃがのレシピは発祥の地「呉」にある「くれ肉じゃがの会」のホームページを見ればいい。発祥の地に残っている文献のレシピなのだから、肉じゃがというもののレシピはこれなのだ。

 「肉じゃが」・・よく、男が女性に作ってもらいたい料理・・として紹介されるが・・そんなはずはない。少なくてもワシの周りには女に作ってもらいたい料理の第一位に「肉じゃが」をあげるやつは見たことが無い。ましてや今時の若いやつらが彼女に作ってもらいたい料理に「肉じゃが」をあげるとは思えない・・・それなのになぜ肉じゃがは男が女性に作ってもらいたい料理の代表格なのか・・・謎である。

 では、反対に女性が食べたぁ〜〜い、と思う料理、作ってもらいたぁ〜〜い料理ってなんだろう。

 ワシ的にはズバリ!!!「チキン南蛮〜〜〜(ドラえもんの口調で)」

 サクサクの衣に、ジューシーな鶏肉、ピリ辛の漬けダレにコッテリ濃厚なタルタルソース。その抜群のバランスは、どんな女性を口説くための殺し文句をも凌駕する。史上最強である。

 チキン南蛮は「南蛮酢」と「タルタルソース」さえ作っておけば、あとは簡単な料理である。だからポイントは「南蛮酢」&「タルタルソース」、まちがっても出来合いのものを使わないでほしい。「南蛮酢」でピリ辛、大人の味を演出し、コッテリ濃厚「タルタルソース」でより深みのあるハーモニーを醸し出すのだ。ワシは「南蛮酢」の隠し味にレモンスライスを加えることで、濃厚な食べ応えのなかに、かすかに感じるスッキリ感、清涼感をプラスしている。今が旬のキャベツをめちゃめちゃ細い千切りに南蛮酢をたっぷりつゆだくにして、タルタルソースたっぷりの鶏肉とともに食す。激美味!!。チキン南蛮といえば定食や持ち帰り弁当も定番なので、これまた今が旬の豆ごはんなどを炊いて、おみそ汁と一緒に食卓に並べるのが、また良い。

 タルタルソースは作り方さえ覚えておけば、カキフライやエビフライ、その他いろんな料理に添えると本格洋食店の料理になるし、南蛮酢はその名の通りもちろん南蛮漬けにそのまま使えるし、カツオのタタキにかけても絶品であるよ。

*Cooking BGM Album「whitemints」(mintmints)

レシピ チキン南蛮
用意するもの

タルタルソース
タマゴ
玉ねぎ
マヨネーズ
コショウ
パセリ

南 蛮 酢
だし汁
砂糖
酢
しょうゆ
鷹の爪
レモン

鶏もも肉
薄力粉
塩
コショウ
キャベツ
白いりごま
青ネギ


*画像をクリックすると拡大表示されます

1)まずタルタルソース作り。
タマゴ2個をゆで卵にして、細かくみじん切り。玉ねぎ1玉もみじん切り。

タマゴと玉ねぎをたっぷりのマヨネーズで和える、コショウでアクセント付けて、細かくきざんだパセリも入れてできあがり。

ワシはピクルス入りは好きではないが、お好きな方はお好みで・・・。


2)今回のポイント、南蛮酢作り。
だし汁1カップに、醤油大さじ3杯、酢大さじ3杯、砂糖大さじ3杯、に鷹の爪を一本加えて沸騰させる。

火を止めたら、レモンスライスを数枚入れて冷ます。





3)
鶏もも肉は均一に火が通るように、身には軽く切り込みを入れ、皮の側には竹串などでプスプスって感じで穴をあける。まあ、このあたりは適当でっっ。

4)薄力粉を同量くらいの水で溶いて衣を作る。
本場宮崎ではタマゴを入れたフリッターのようなのだけど、ワシはモチモチよりサクサクのほうが好きなのでタマゴは入れない。3)の鶏肉に塩コショウをし、薄く小麦粉をつけて、衣をつける。










5)

フライパンに深さが2センチくらいになるよう揚げ油を入れて熱し、鶏肉を皮が下になるように入れて中火で揚げる。

すぐにひっくり返さないように・・じっくりとしっかりと、衣がキツネ色でカリカリになるまで揚げていく。




6)

揚げあがったら、2)の南蛮酢に浸す。

7)
お皿にたっぷりの千切りキャベツを敷き、6)を食べやすい大きさに切って盛りつける。

キャベツがつゆだくで浸るように南蛮酢をかけて、1)で作ったタルタルソースをかけ、白ゴマ、青ネギをちらす。

8)
今が旬の豆ごはん、みそ汁を添えて、定食屋の「チキン南蛮定食」のできあがり。

ガッツリとつゆだくキャベツと一緒に口に入れてくれっ。マジ美味いからっ。









9)

タルタルソースはエビフライやカキフライにも使ってねっ。サーモンのソテーとかに添えても美味いぞ。

南蛮酢は、文字通り南蛮漬けにどうぞっ。カツオのタタキにかけても最高。

2010年5月20日木曜日

未来からのラブレター
#01(誕 生)こんにちは



こんにちは あかちゃん わたしが パパです
これから パパは あなたに つたえたいことを かいて
みらいに てがみを だそうと おもいます

パパも ママも まだまだ べんきょうちゅうで
これから かくことは じつは あなたと いっしょに あるきながら
わらったり ないたり あそんだり まなんだりして かいたものです

パパは あなたが ころんでも じぶんで たてることを しっています
でも ときには ママに だきしめてもらったり
パパに あまえたり することが だいすきなのも しっています

そんな あなたが おおきくなったら
どんなときに パパの ことばを ひつようと するのでしょう?

パパの そうぞうでは きっと パパの ことばなど ひつようありません
けれど おおきくなっても ときには だれかに だきしめてほしかったり
あまえたいときが あるのかも しれませんよね

そんなとき どうか パパが みらいに おくった てがみを
ゆっくり ひらいて よんで みてください

つぎに かく てがみからは かんじで かきます
もしも まだ よめなかったら
それは まだ よむ ひつようが ないということです

さて まず はじめに パパが あなたに つたえたいこと
それは ことばを おぼえはじめたら
いちばんに あいさつを たいせつに してください

おはようございます おやすみなさい いただきます ごちそうさま
こんにちは こんばんは ごめんなさい ありがとう

それは あなたが しゃかいに かかわる さいしょの いっぽ
そして その たいせつさは ずっと かわりません

ことばは なんのために だれに いってるのかを
りかいして つかうと ことばに いのちが やどります

だから パパが あなたに いう だいすきは
ほかの だいすきとは まったく いみが ちがうのです

なにげない あいさつに こころを こめることは
あなたの すむ せかいに あいを やどすこと なのです

パパが いま いちばん つたえたい ことばは これです
パパは いつでも どこにいても あなたを あいしています